第61回日本消化器がん検診学会総会 The 61st Annual Meeting The Japan Society of Gastrointestinal Cancer Screen

附置研究会

1. 胃がんリスク評価に関する研究会

新時代の“胃がんリスク層別化検査(ABC分類)”の実践と課題
司会 間部 克裕(淳風会健康管理センター倉敷)
   安田 貢 (安田内科)

司会の言葉

本附置研究会が2012年に初めて開催され,以後リスク評価の実践と課題について多くの議論がされました。10年の経過と共にピロリ菌感染率は益々低下し、保険適用拡大に伴う除菌治療の普及、内視鏡検診の導入、検診対象年齢の引き上げ、検診間隔の変更、AIの開発、新たな血清抗体検査キットの登場など取り巻く環境は大きく変化しました。
今回は、「新時代の“胃がんリスク層別化検査(ABC分類)”の実践と課題」をテーマに,新しい時代において、胃がんリスク層別化検査(ABC分類)の果たす役割、適切な実施方法はどの様なものか、解決するべき課題は何かについて考え、議論したいと考えています。

胃がんリスクの極めて低いピロリ未感染者が益々増加する今後、対象集約やリスク別の検診間隔の設定、リスク者に対する確実な受診勧奨など、リスク評価の効果はより大きくなります。リスク評価の現状と将来を見据えた課題、胃X線や内視鏡など画像検査との組合せ、抗体キットの問題などはば広い演題応募を期待しています。
  1. 課題点の整理
    間部 克裕(淳風会健康管理センター倉敷)
  2. H.pylori抗体測定法の変更が感染状態の診断に及ぼす影響について
    安田  貢(安田内科)
  3. 除菌成功からの期間とEプレートとLZ-IIによる血清抗H. pylori抗体
    下山  克(青森県総合健診センター)
  4. 胃がんリスク層別化検査(ABC分類)におけるピロリ菌抗体検査の精度に関する検討
    尾上 耕治(公益社団法人 宮崎市郡医師会病院 健診センター)
  5. 胃がんリスク分類(ABC分類)B、C群における除菌5年後の推移
    珍田 大輔(弘前大学医学部附属病院 光学医療診療部)
  6. ラテックス法でピロリ菌検診を行い成人でのピロリ菌初感染が疑われた3症例の報告
    水野 靖大(医療法人社団 マール会 マールクリニック横須賀)
  7. 胃がんリスク層別化検査と胃がん内視鏡検診を組み合わせたハイブリッド型胃がん検診の現状と課題
    乾  正幸(医療法人和泉会 乾内科クリニック)
  8. 胃がんリスク評価の現状と今後
    井上 和彦(淳風会健康管理センター)

2. 大腸がん検診精度管理検討研究会

大腸内視鏡検診医に求められる資質
司会 鈴木 康元(松島クリニック)
   只野 敏浩(宮城県対がん協会検診センター)

司会の言葉

大腸内視鏡検査(TCS)の実施目的は、大別すると有症状者や有所見者を対象とした一般診療目的と無症状者を対象としたがん検診目的の2つになります。このうちがん検診目的は更に、①任意型検診におけるスクリーニング目的と、②対策型検診におけるスクリーニング目的の2つに細分化されます。今回の附置研では、今はまだ実施されてはいませんが今後の導入が想定される②の「対策型検診におけるスクリーニング目的のTCS」を担当する「大腸内視鏡検診医に求められる資質」をテーマに議論したいと思います。

対策型検診においては、対象集団における死亡率減少効果(利益)と同時に不利益の最小化が求められています。演題応募をされる際には、これらの成果を担保すべく「大腸内視鏡検診医に求められる資質」として重要と思う項目をその理由とともに列記してください。なお、今回も昨年と同様、個々の発表はなく最初から議論をする形式をとりたいと思いますので、是非多くの演題応募を期待しています。

  1. 対策型大腸内視鏡検診導入を見据えた内視鏡医の育成と精度管理
    小林  望(国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院 検診センター)
  2. 当センターで行った鎮痛薬・鎮静薬不使用任意型大腸内視鏡検診
    山口 和也(公益財団法人ちば県民保健予防財団 総合健診センター 消化器内科)
  3. 大腸内視鏡検診医に求められる資質
    大賀 純一(医療法人 宮崎そらのクリニック)
  4. 大腸内視鏡検診医に求められる資質と要件
    平山 眞章(国家公務員共済組合連合会斗南病院 消化器内科)
  5. 大腸内視鏡検診医に求められる資質 ポリープ発見率、抜去時間、苦痛度からの考察
    馬嶋健一郎(亀田総合病院 亀田クリニック 健康管理科)
  6. 「対策型検診におけるスクリーニング目的のTCS」を担当する「大腸内視鏡検診医に求められる資質」
    村上 晴彦(公益財団法人 熊本県総合保健センター)
  7. 対策型検診におけるスクリーニング目的の大腸内視鏡検査を担当する内視鏡医に求められる資質とは
    野崎 良一(のざき消化器IBDクリニック)

3. 対策型胃がん内視鏡検診研究会

現行の対策型内視鏡検診マニュアルを見直す
司会 青木 利佳 (とくしま未来健康づくり機構 徳島県総合健診センター)
   赤羽 たけみ(奈良県立医科大学 消化器内科学講座)

司会の言葉

対策型胃がん検診に内視鏡検査が推奨され、2016年2月に当学会から「対策型内視鏡検診のためのマニュアル」が発刊された。新しく内視鏡検診を導入した市町村は、このマニュアルをもとにシステムを構築することができ、重要な役割を果たしている。一方、マニュアル発刊から約5年が経過し、基準撮影法の設定、二次読影の基準、ピロリ感染胃炎の経過観察の取り扱い、追跡調査を含む精度管理などマニュアルで明確にされていない事項が明らかにされつつある。今回、対策型内視鏡検診を担っている検査医、自治体や医師会などの立場からマニュアルの問題点、追加すべき点を挙げていただき、幅広い視点で改訂や新たに追加すべき事項について議論したい。

今回はWeb開催ならではの企画として、投票機能を利用し、視聴者の意見を反映したい。より良い内視鏡検診を目指して、数多くの施設から奮ってご応募いただき、視聴者の方にご投票いただき意見を集約したい。
  1. 大阪市対策型胃内視鏡検診開始後の運用課題
    辰巳 嘉英(パナソニック健康保険組合 健康管理センター)
  2. 二次読影から考える胃内視鏡検診における基準撮影法の重要性
    依光 展和(東京都保健医療公社 東京都がん検診センター 消化器内科)
  3. 内視鏡検診における食道がんの取り扱いと画像強調内視鏡(IEE)の使用について
    青木 利佳(公益財団法人とくしま未来健康づくり機構 徳島県総合健診センター)
  4. 隔年検診時代における対策型内視鏡検診発見胃がんの変化と偽陰性対策を考える
    平川 克哉(日本赤十字社 福岡赤十字病院消化器内科)
  5. 偽陰性例から見た精度管理の意義
    田村  聡(横浜市医師会)
  6. ガイドラインに基づく川崎市胃がん内視鏡検診実施の現状と今後の課題
    安田  宏(聖マリアンナ医科大学病院)
  7. 金沢市の対策型内視鏡検診における教育システムについて
    大野 健次(公益社団法人 石川勤労者医療協会 城北病院)