第16回膵癌術前治療研究会 The 16th Study Group of preoperative Therapy for Pancreatic cancer

ごあいさつ

第16回膵癌術前治療研究会
当番世話人:里井 壯平
(関西医科大学 外科学講座 胆膵外科)

第16回膵癌術前治療研究会開催にあたって

 このたび2022年9月17日(土)に枚方市総合文化芸術センターにて、第16回膵癌術前治療研究会を開催させていただきます栄誉を賜りましたことを、役員ならびに会員の皆様に心から厚く御礼申し上げます。2019年に世界的なパンデミックとなったCOVID-19が、国民の皆様の感染防御対策ならびにワクチン接種により沈静化され共存できる状況となり、無事現地開催を行えますことを切に願っております。

 本研究会は、2008年に海野倫明会長の号令の下発足し、当初数名の有志とともに参加させていただき、早14年が経過いたしました。本研究会は、最難治癌といわれる膵癌に対する術前治療のエビデンス創出を目的として、多施設の協力・連携のもとに発足いたしました。発足当時、膵癌の治療は拡大郭清が唯一の根治治療との意見が依然多数であり、術前治療は異端という認識の中での出発でした。その後、研究会主導の臨床研究も次々と船出をして、2019年には世界で初めて、切除可能膵癌に対する術前化学療法の有用性を示すPREP-02試験の結果が米国臨床腫瘍学会(ASCO)にて報告されました。膵癌の標準治療のひとつとして、術前治療が位置づけられたことは画期的なことと存じ上げます。このような状況の中、第16回研究会を開催できることをとても光栄に感じております。

 本研究会の参加人数は年々増加し、全国から多くの外科、内科、放射線科、臨床病理の各専門医が集まり、膵癌術前治療における諸問題に対して、活発な討論が行われる研究会となっております。今回の研究会のテーマは 「Resilience and Future of PREP」toといたしました。SARS-CoV2との共存から初めての研究会となる見込みでありPREPとしての新たな出発のために、われわれの回復力を確認し、将来の方向性を模索できればと考えております。多様性のある膵癌患者に対する適切な診断法や治療法の確立に関してはまだまだ様々な臨床課題が山積みとなっております。皆様と研究会ならではの忌憚のない討論を行い、解決策を探っていきたいと思います。

 大阪は北河内の地で、膵癌術前治療に関する新しい知見が創出され膵癌の予後向上に寄与することを期待しております。このたび、このような最先端かつ注目度の高い全国規模の研究会を担当させていただくにあたり、関西医科大学外科学講座胆膵外科チーム一同で鋭意準備をしてまいりますので、引き続き皆様のご支援、ご協力の程何卒よろしくお願い申し上げます。