第26回日本小児心電学会学術集会

ご挨拶

第26回日本小児心電学会学術集会
会長 鈴木 嗣敏
大阪市立総合医療センター 小児不整脈科

2022年11月大阪の地で、第26 回日本小児心電学会学術集会を開催させていただきます。
 コロナ禍で世の中の学会運営は様変わりしてしまいました。本学術集会も2020 年は延期、2021 年はweb 開催となり、今年は3年ぶりの現地開催にむけて準備をすすめています。当初は懇親会も設ける予定でしたが、2022年7月から、まさかのコロナ第7波にみまわれ、残念ながら断念せざるを得ないと判断しました。そのような状況ではありますが、現地で口演を聴講し、face to faceで議論を活発に交わすといった、現地開催学会ならでの良さを皆様に楽しんで頂けるようにしたいと思っています。
 今回のテーマは、「小児不整脈の診断と治療の進歩 - チャネル病からアブレーション治療まで」としました。一般診療で出会う不整脈疾患の診断や治療について、この3年間いろいろな経験をしながらも意見交換できずにきたことを、大阪で思う存分語り合いましょう。
 特別講演は、私の師匠でもある皆さまご存じの中村好秀先生と、東京医科歯科大学の古川哲史先生にお願いしました。中村好秀先生には一日目の午後に、「私の歩んだ小児非薬物治療の歴史」というタイトルで、小児のアブレーション治療やデバイス治療の歴史を、中村先生の視点からお話ししていただきます。古川哲史先生には二日目の午前に、「His-Purkinje システムと不整脈」というタイトルで御講演頂きます。古川哲史先生は2015年に静岡で開催された本会学術集会で「進化発生生物学と不整脈」というタイトルで御講演を賜りましたが、今年は全く違う視点からの御講演を企画していただきました。
 二日目のランチョンセミナーは、日本大学循環器内科の永嶋孝一先生にお願いしました。最近は循環器内科の先生方がnode-ventricular pathwayとかnodo-fascicular pathwayなど特殊な副伝導路に興味をもたれて、こまかい電気生理検査の挙動を議論することが多くなりました。永嶋孝一先生はその先頭を飛び抜けるように走っておられる先生です。御講演の内容は私のわがままでマニアックな内容をお願いしました。「マハイム・ノドベンを未読スルーしないための能動的60分間」というタイトルで御講演いただきます。電気生理検査、アブレーション治療になじみがない先生方には、少々難しい内容かもしれませんが、アブレーション屋さんはこういうことを考えながら生きているんだなぁと、大阪のお弁当を食べながら少しでも感じて頂ければ幸いです。
 二日目の午後には、「第二回 学校心臓検診の未来を考えるシンポジウム」を催します。今回のシンポジウムは、招待講演2演題、公募から3演題で構成させて頂きました。和光女子大学の原光彦先生には「小児生活習慣病予防健診の現状と将来の心血管イベント予防を見据えたシステム構築」、京都大学の石見拓先生には「PHR 時代に学校心臓検診を活かす!課題と展望」というタイトルでそれぞれ御講演頂きます。
 会場の大阪市中央公会堂は、堂島川と土佐堀川が流れる中之島に大正時代に建てられました。美しい外観と内部意匠は国指定重要文化財に指定されています。展示室と自由見学エリアは自由にご覧いただけます。少々交通の便が悪く、Wi-Fiがないなど、不自由をおかけすることがあるかと思いますが、大阪の文化・芸術の発展に深くかかわってきたこの会場で、皆様とお会いできるのを楽しみにしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。