第33回日本肝胆膵外科学会学術集会 The 33rd Meeting of Japanese Society of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery

演題登録テーマ一覧

Special Session(特別セッション)

Symposium(シンポジウム)

Video symposium(ビデオシンポジウム)

Panel discussion(パネルディスカッション)

Workshop(ワークショップ)

Video session(ビデオセッション)

Requested Session(要望演題)

Free Paper (Oral/Poster) (一般演題(口演・ポスター))

Special Session(特別セッション)

【SS1】

WHO Digestive System Tumorsにおける胆道癌に関する改訂(指定)

【SS2】

肝胆膵領域におけるロボット支援手術(公募、一部指定)

Symposium(シンポジウム)

【SY1】

高齢者の特徴を考慮した肝胆膵手術のポイント(公募、一部指定)

一般的に高齢者は、より多くの併存合併症を持ち、中枢神経機能・筋力・臓器機能を含めた全身予備力の低下を認めるのが特徴である。肝胆膵手術は一般的に高侵襲の手術が多く、手術術式の侵襲度、全身予備力と予測される合併症、期待される予後のバランス評価で手術適応・手術術式は決定される。したがって高齢者に対しては、どの手術にいかに患者を選択するのかが最も重要であり、その客観的評価をどのようにするか?がポイントとなる。様々な栄養指標、フレイル、サルコペニアなどの因子が術後予後予測因子として注目されているが術前に評価するのは困難であり、さらに術前介入の後手術するのも実際には難しいことが多い。また腹腔鏡手術の成績とその利点、高齢者手術における有用性についても明らかでない。
本シンポジウムでは、各施設の高齢者に対する手術適応と成績を提示していただき、術前リスク評価の実際などにつき、高齢者肝胆膵手術におけるポイントを議論いただきたい。

【SY2】

膵癌に対する腹腔鏡下手術の適応(公募、一部指定)

膵臓における腹腔鏡下手術は、その解剖学的特徴から難易度が高いが、腹腔鏡による拡大視効果は膵臓の正確な切除に効力を発揮し、またエネルギーデバイスの発展により腹腔鏡下膵切除は進化している。このような中、膵癌に対する腹腔鏡下手術も保険適応となり、腹腔鏡下膵体尾部切除術は2016年に保険収載されるとともに広く普及してきた。一方で腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術は2020年に保険収載されたばかりで、手術手技は確立されておらず、国内の各施設が安全な導入をするための課題は多い。特に膵再建、胆道再建は⾼難度の内視鏡下縫合技術を必要とし術後合併症軽減のため安全な再建法の確立が重要である。本セッションでは、膵癌に対する腹腔鏡下手術の適応の現状について自施設内基準や定型化された手術手技、再建の⼯夫や治療成績、次世代や他施設へ継承するための取り組み等、さらには、開腹術との比較、膵癌に対する腹腔鏡下手術の今後の発展性、将来的展望を議論していただきたい。

【SY3】

膵・胆管合流異常/先天性胆道拡張症における長期成績(公募、一部指定)

胆管拡張例に対する術式は、胆嚢摘出+肝外胆管切除が標準とされているが、非拡張例に対しての胆管切除に関しては一定の見解が得られていない。また胆管切除後の長期経過においては、胆管炎や肝内結石などが生じて治療に難渋する症例がみられたり,胆管切除後の胆管癌発生がしばしば報告されている。
本セッションでは、各施設での術式選択と成績、術後フォローアップの実態、胆管切除後の合併症(胆管炎、吻合部狭窄、肝内結石、膵内結石など)の頻度と治療,胆管癌発生について、術後長期経過観察例において検討し報告していただきたい。

【SY4】

肝胆膵外科手術における周術期感染対策(公募、一部指定)

周術期感染管理の大きな目的は、手術操作部位に発生する手術部位感染(SSI)の予防である。肝臓外科においては背景肝、術中の肝離断法や使用する糸、デバイスの選択、ドレーン留置の有無、術後予防的抗菌剤の投与期間、胆汁漏対策などが感染の要因である。胆膵手術においては術前胆道ドレナージの施行、術中胆汁汚染、術後の膵液漏などが関与している。適切な抗菌薬の選択やドレーン管理が必要となる。肝胆膵外科領域においては、手術自体が大侵襲であり、術後合併症を生じさせないために周術期感染管理、栄養管理が重要である。
このように多岐にわたる周術期管理こそが術後の早期死亡例を減少させ、予後改善を図っている思われる。今回のシンポジウムは肝、胆、膵、それぞれの領域におけるスペシャリストにご報告をいただき、それぞれの教室における周術期管理の工夫を述べていただきたい。

【SY5】

大腸癌多発肝転移に対する治療戦略(公募、一部指定)

近年の肝解剖の理解、デバイスの進歩、切除手技の向上により、多発肝転移に対する外科的治療は劇的に進歩した。現在までに、化学療法先行肝切除や、門脈塞栓併用切除・2期的切除・ALPPS手術といった拡大肝切除、実質温存肝切除、焼灼併用切除、腹腔鏡下切除、R1切除戦略、同時性転移に対する肝切除先行アプローチなど、様々な切除戦略が提唱され一定の成果を上げている。しかし、これら戦略のいずれにも明確なエビデンスはなく、このため多発転移に対するスタンダードな治療法はいまだ確立されていない現状である。本シンポジウムでは多発転移に対する治療経験の豊富な施設からそれぞれの施設での治療戦略、その戦略の根拠となるデータを提示して頂き、本邦の肝胆膵外科医の納得がある程度得られるような治療戦略の確立を目指して頂きたい。

Video symposium(ビデオシンポジウム)

【VSY1】

腹腔鏡下S7/8切除術のポイント(公募、一部指定)

肝切除術は、肋骨に囲まれた横隔膜下腔“Rib Cage”の中に守られている肝臓を切除する手術手技である。開腹肝切除術では、大切開でCageを開き、肝臓を授動脱転して取り出し、手の内に収めて手術を行うことを基本としたが、腹腔鏡下ではCageの中に腹腔鏡と鉗子が侵入して切除操作を行う開腹とは異なったアプローチで手術が行われる。
腹腔鏡は通常尾側からCageに侵入してゆくため、肝S7S8は腹腔鏡下肝切除術においてはCageの最深部で操作が困難な部位となる。この部位の腹腔鏡下手術においては、視野や操作性を確保するために様々な取り組みがなされている。また、同様に横隔膜に接した最深部であるS7とS8でも、背側でBare areaに接しているS7と横隔膜ドーム直下にあたるS8ではアプローチが異なってくる。S7、S8の腹腔鏡下肝切除に対する各施設の取り組みと工夫を、手術ビデオを基に提示していただきたい。

【VSY2】

腹腔鏡下肝胆膵手術における術中損傷・合併症に対するリカバリーショット (公募)

腹腔鏡下肝胆膵手術は多くの術式で定型化され、広く行われるようになってきた。しかし、系統的大肝切除や膵頭十二指腸切除などの難度が高い術式においては、大血管の損傷による大量出血など致死的な術中偶発症を生じる可能性を含んでいる。また、肝切除におけるグリソン鞘や肝切離面からの胆汁流出に対する適切な修復は、術後胆汁瘻の回避に直結する。本ビデオシンポジウムでは、腹腔鏡下肝胆膵手術を安全に行うために重要となる術中損傷・合併症を回避するコツ、術中損傷を生じた際のリカバリーショットを供覧して頂きたい。

【VSY3】

肝胆膵手術におけるシミュレーションとナビゲーション(公募、一部指定)

胆胆膵領域では複雑な脈管走行を扱う手術が多く、手術を円滑に進行させるための術前3次元シミュレーションや、不意の血管や胆管損傷を回避するための術中の詳細なナビゲーションシステムが求められてきた。平成30年度の診療報酬改定では「K939 画像等手術支援加算」として、「ナビゲーションによるもの」で2,000点の加算が得られている。さらに令和2年改定で「K939-2 術中血管等描出撮影加算」で開腹または腹腔鏡下肝切除でICGまたは5アミノレブリン酸を用いて血管や腫瘍を描出する蛍光法手技にさらに500点追加加算されことになった。この様に厚労省は肝切除におけるナビゲーションシステムを推奨しており、これに伴って各施設でもこの効果を狙った手技の開発と実用化が試みられている。本セッションでは、その取り組みの実際と、将来の展望について論じていただきたい。

【VSY4】

肝胆膵癌に対する血管合併切除術(公募)

肝胆膵癌に対する血管合併切除は根治性の向上と手術適応の拡大に寄与し得るが、周術期リスクの低減と手術成績の安定が求められる。また、集学的治療の進歩によって提供可能となった切除不能肝胆膵癌に対するconversion surgeryでは、血行再建を要することも多く、難易度・リスク共に高い。本セッションでは血管合併切除を伴う肝胆膵癌手術における適応・治療計画および手術手順/手技の工夫と実際をビデオで提示いただきたい。肝胆膵癌に対する血管合併切除術に対して新たな視点を与えてくれる、あるいは安全性に配慮しつつブレイクスルーとなるようなビデオを期待したい。

Panel discussion(パネルディスカッション)

【PD1】

局所進行膵癌に対するコンバージョン手術(公募、一部指定)

局所進行切除不能(UR-LA)膵癌の中には、化学療法・化学放射線療法などの集学的治療の効果によりコンバージョン手術が可能になり、長期生存が期待される症例がある。しかし、現時点では最適な抗癌剤選択や、切除の適応、タイミング、血管を含めどこまでの切除が許容されるかなど、未だ議論は尽きない。本パネルディスカッションでは、各施設の治療方針・戦略や成績を提示していただき、UR-LA膵癌に対するコンバージョン手術を含めた集学的治療の方向性を探る。

【PD2】

肝内胆管癌の進展・再発様式を考慮した外科治療(公募、一部指定)

肝内胆管癌は浸潤傾向が強くリンパ節転移例や多発例の頻度も高いため、その外科切除には、広範な肝切除や胆管切除、リンパ節郭清を必要とする機会も多い。しかしながら、それらにおける手術適応そのもののみならず、外科治療における肝切除範囲や胆管切除の適応、リンパ節郭清の意義・転移様式に基づく郭清範囲などについての腫瘍学的なエビデンスは確立されていない。また、治癒切除が得られても再発が少なからずみられ、肉眼型による再発様式の違いも知られている。肝内再発、リンパ節転移、腹膜播種などの外科切除後再発に対しては全身化学療法や再切除が行われているものの、その具体的な治療アルゴリズムは明確化していない。肝内胆管癌診療ガイドラインが間もなく発刊される予定である今、肝内胆管癌の集学的治療を含めた外科治療の現状について、各施設での考え方、治療経験を示していただきたい。

【PD3】

進展形式・特性からみた進行肝細胞癌の治療戦略(公募、一部指定)

肝細胞癌は、初期治療が仮に奏効してもその腫瘍性状と背景肝の特異性により高率に再発し、反復局所療法の後に進行肝癌へと進展する。さらにその進展形式は、多発、巨大、脈管侵襲、転移、など多岐にわたり、それぞれの病態に対する適切な治療法を選択すべきである。本セッションにおいては、これら腫瘍進展形式に加えてその特性を考慮し、奏効率の高い各施設の独自治療について、治療成績とともにその適応と限界について述べていただきたい。その上で、これからの “進行肝癌治療”の位置づけについて明確に示すべく議論を進めたい。

【PD4】

進展形式・特性からみた進行胆嚢癌の術式選択(公募、一部指定)

進行胆嚢癌の予後は依然不良であり、至適術式や集学的治療についても一定のコンセンサスは得られていない。一方で、唯一の根治的治療が外科手術であることも事実であり、肝浸潤,肝十二指腸間膜浸潤,血管浸潤,リンパ節転移などの多彩な進展様様式に応じて、根治性を安全性のバランスをとりながら術式選択を行う必要がある。また、その上に集学的治療の模索も必要である。この長年続く困難な課題に対する現在の各施設の取り組みを報告いただきたい。

胆嚢癌の最も強力な予後因子はステージである。断端陰性となるR0切除が胆嚢癌患者の唯一の治癒的治療法である。 しかし、胆嚢癌は、黄疸、腹部腫瘤、またはリンパ節転移を認める進行した段階で診断されることが多いため、胆嚢癌の外科治療はかなり困難である。 肝切除、膵頭十二指腸切除術、胆管切除、または血管切除などの積極的な外科的戦略の有効性については依然として議論が多い。

【PD5】

肝移植後の長期予後と課題(公募、一部指定)

末期肝疾患の根治的治療法である肝移植は、手術手技の向上や術後管理の改善などから、短期生存率は著明に改善してきた。しかし、長期生存率の経時的な改善は認められていない。慢性期には、抗体関連拒絶反応、原疾患の再発、感染症、悪性腫瘍などの合併症がグラフト機能不全や死亡の原因となる。また、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病は、免疫抑制剤長期使用の後遺症と深く関連し、心血管死、腎不全、de novo悪性腫瘍などのリスク因子となる。しかし、有効な長期管理法やフォロー体制は確立されていないのが現状である。長期予後を改善するには、効果的で副作用の少ない維持免疫抑制療法が必要であることが認識されつつある。本パネルディスカッションでは、生体及び脳死肝移植の長期成績の現状を解析し、課題の抽出と改善策について討論をしていただきたい。

Workshop(ワークショップ)

【WS1】

肝胆膵外科領域におけるトランスレーショナル・リサーチ(公募)

WS1-1
トランスレーショナルリサーチは、基礎研究で見出された新規発見を臨床に還元するための研究と位置づけられている。肝胆膵領域の固形癌の治療成績は外科治療、放射線治療、薬物療法などの進歩により向上してきたが、他の消化器癌に比較し依然として不良で、この難治領域のトランスレーショナルリサーチの一層の加速が求められている。近年、がん遺伝子パネル検査の保険収載や次世代シーケンサー等の技術革新によりがんゲノム医療のトランスレーショナルリサーチが注目されている。本セッションでは、それ以外にも肝胆膵領域疾患に対するロボット手術、遺伝子治療、免疫療法、再生医療等において臨床応用を本気で目指したトランスレーショナルリサーチの新しい研究成果を提示し、各研究分野の現状や抱える問題点を総括しながら活発に討論していただきたい。

WS1-2
肝胆膵外科領域の治療成績は、外科治療と薬物療法や放射線療法を組み合わせた集学的治療により改善が図られてきたが、いまだ満足すべきものではない.そのさらなる改善には、血液,尿,体液等各種検体中のタンパク質や遺伝子解析による疾患の特性や再発・予後予測あるいは化学療法や放射線療法の治療効果判定の予測などの基礎研究の解析結果を臨床に応用し,それを実用化させる橋渡し研究が非常に重要である.本ワークショップでは,肝胆膵外科領域におけるに様々なトランスレーショナル・リサーチを報告していただきたい.

【WS2】

膵神経内分泌腫瘍に対する治療戦略(公募、一部指定)

2019年9月に膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドライン第2版が刊行され、膵神経内分泌腫瘍(PanNET, PanNEC)についても、その切除適応、遠隔転移例の扱いなどについて最近の知見を踏まえた改訂が行われた。一方で、PanNECの切除適応、非機能性小型PanNETに対する経過観察の是非、術後補助療法の適応、遠隔転移例に対する外科治療介入のタイミングとその意義など、いまだ十分なコンセンサスが形成されていない諸問題も存在している。本ワークショップでは、次回ガイドライン改訂に向けて解決すべき諸問題の提起、およびそれらの課題に対する各施設の取り組み・治療成績を御提示いただき、今後の臨床研究への足掛かりとしたいと考えている。さまざまな観点からの御発表を期待する。

【WS3】

十二指腸乳頭部癌切除後の長期成績(公募、一部指定)

十二指腸乳頭部癌の切除率は95%、切除後の5年生存率も60%を越え、胆膵領域においては比較的予後良好な癌種ではあるが、十二指腸浸潤(T2)、膵浸潤(T3)、リンパ節転移(N1)を伴えばたちまち予後不良となる決して侮れない疾患である。近年胆膵癌において、切除術式の工夫や術前術後の集学的治療の取り組みにより長期予後が達成されてきているが、十二指腸乳頭部癌においては有効な補助療法も未だ確立されていない。本セッションでは、各施設の十二指腸乳頭部癌切除後の長期成績を提示いただき、予後改善に向けた様々な取り組みをご発表いただきたい。

【WS4】

肝胆膵手術における栄養・運動療法の介入(公募、一部指定)

肝胆膵癌に対する肝切除や膵切除をはじめとする肝胆膵外科手術の特徴は手術侵襲そのものが大きいだけでなく、癌自体の悪性度も高いため、手術前から栄養状態や身体機能が不良な症例が少なくないことである。また手術手技を含めた周術期管理の巧拙が手術成績に直接反映されやすい。そのため手術成績向上を目指した周術期の栄養療法や運動療法の介入やその有効性に関する評価はきわめて重要といえる。昨今、高齢者手術患者の増加に伴い、加齢が要因のサルコペニアを併存した手術患者数も増加傾向にある。本セッションでは各施設の肝胆膵外科手術周術期の栄養療法や運動療法に関する様々な取り組みについてご紹介いただき、その有効性に関する評価を介入のタイミングも含めてお示しいただきたい。加えてサルコペニアや高齢者患者の栄養療法・運動療法介入に関する工夫についても論じて欲しい。

【WS5】

IPMNに対する適切な膵切除(公募、一部指定)

診断技術の進歩により、症状がないIPMNも多く発見されるようになり、外科切除を受ける症例も増加している。しかし、一方で、最終的な病理所見からは切除が必ずしも必要でないと考えられた症例も多く存在する。切除の適応についてはIAP, AGA, European Study Group on Cystic Tumours of the Pancreasなどからガイドラインが発表され活用されているものの、その基礎となるエビデンスは十分ではなく、また、各ガイドラインでも相違がある。加えて、近年の嚢胞液や膵液の遺伝子レベルまで踏み込んだ検索の有用性も報告されるようになった。一方、低侵襲手術や臓器温存手術の適応も一定の基準が無いのが現状である。そこで、本セッションでは、各施設、グループにおける経験を通して、適切な手術適応、縮小手術の可能性、術後の経過観察について議論し、今後の指針となる結論を目指したい。

【WS6】

肝胆膵領域におけるバイオマーカー(公募)

肝胆膵疾患では様々なバイオマーカーの研究が進められており、早期発見や予後予測のみならず、各々の病態を精密に捉えることにより、最適な治療へと応用することが期待されている。最も古い腫瘍マーカーα-fetoprotein (AFP)は、肝細胞癌の診断だけではなく、VEGFR2抗体薬ラムシルマブの適応基準や、肝移植における5-5-500 基準など、新たな治療選択に適用された。さらに外科臨床サンプルに対する解析手法の技術革新とともに、cfDNA,マイクロRNA, エクソソームなど、血液、胆汁、膵液を用いた革新的バイオマーカーの探索には枚挙に暇がない。ゲノム医療が始まり、肝胆膵癌に対する治療開発も加速化している現在、バイオマーカーの重要性はますます高くなっている。本ワークショップでは、様々なバイオマーカーの萌芽的研究から、治療応用や予防医療などへの展開まで幅広く発表して頂き、明日の実臨床に役立つ活発な議論を行いたい。

【WS7】

肝胆膵疾患治療におけるAIの展開(公募)

肝胆膵領域の画像診断や、複雑な解剖の把握と手術戦略の立案、術中navigationに始まり、肝膵同時切除や肝移植など高難度手術後の全身管理や集学的治療の支援とAIに期待される役割は多岐にわたる。前臨床段階の取り組みを含め広く議論したい。

【WS8】

胆道癌に対するconversion surgeryの試み(公募、一部指定)

胆道癌の局所進行症例においては初回診断時に外科的切除不能と診断され,薬物療法などの非手術療法が先行される。非切除症例への化学療法は、これまで国際的標準治療として第一選択であったGC(gemcitabine / cisplatin)に加え、GS(gemcitabine / S1)、さらにGCS の有効性が国内の臨床試験においても提示されている。Conversion surgeryとは、このようなすぐれた化学療法を駆使し、薬物療法などの非手術療法を一定期間施行した結果,病勢がコントロールされた症例に対し,R0切除が可能と判断された場合に限定して施行される外科的切除であり、近年注目を集めている。各施設からの胆道癌に対するconversion surgeryの適応と成績を紹介して頂き、将来展望についても論じて頂きたい。

Video session(ビデオセッション)

【VS1】

肝胆膵手術における新しいデバイスの活用

【VS2】

合併症を考慮した肝切離法の工夫(開腹、腹腔鏡)

【VS3】

胆道良性疾患に対する腹腔鏡下手術

【VS4】

腹腔鏡下胆道再建術の工夫

【VS5】

再肝切除術のポイント

Requested Session(要望演題)

【RS1】

胆道感染症を伴う症例に対する外科治療

【RS2】

肝移植後長期予後改善に対する試み

【RS3】

門脈をめぐる諸問題(血栓症、亢進症など)

【RS4】

良性胆道狭窄(吻合部狭窄を含む)に対する治療成績

【RS5】

膵移植の現状と課題

【RS6】

胆汁漏対策

【RS7】

膵液瘻対策

【RS8】

膵全摘術の長期予後と問題点

【RS9】

十二指腸癌の外科治療

【RS10】

HBP領域における周術期管理

Free Paper (Oral/Poster) (一般演題(口演・ポスター))